外気温と糖尿病のお薬の関係 ~暑い日は「低血糖」に要注意?~
[2026.05.21]
こんにちは、豊中市・清光クリニック院長の久堀です。近年、夏場の猛暑が厳しくなっていますが、実は「外気温」が糖尿病の治療に影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか?2024年11月に、米国から興味深い研究報告がなされました。今回は、気温の変化が糖尿病の薬の効果にどう影響するのか、そして私たちが日常生活でどのような点に注意すべきかをお話しします。
1.気温が上がると「低血糖」のリスクが上がるお薬がある?
今回の研究では、約300万人のデータをもとに、使用する糖尿病の薬ごとに、外気温と有害事象の関係が調査されました。その結果、一部のSU薬(グリメピリド、グリベンクラミド)は気温が高くなると、重篤な低血糖のリスクが高まる可能性が示唆されました。
2.なぜ暑いと薬の効き方が変わるのか?
気温が上がると体温調節のための発汗によって脱水傾向となります。それが原因で腎機能が低下し、薬物代謝物の排泄が遅れ、低血糖作用の持続時間が長くなることが原因と一つとして考えられます。
3.患者さんが気をつけるべき「3つのポイント」
この研究結果を受けて、日々の生活で意識していただきたいポイントをまとめました。
- 暑い日の「低血糖症状」を見逃さない
特にSU薬(グリメピリド、グリベンクラミドなど)を服用されている方は、暑い日に外出したり、高温の環境で過ごしたりする際、いつも以上に低血糖に注意しましょう。ふらつき、冷や汗などが出たら、すぐにブドウ糖を補給してください。 - 脱水対策を徹底する
暑いと低血糖のリスクが上がるだけではありません。SU薬以外のお薬でも、種類によって脱水から思わぬ副作用を招くこともあります。こまめな水分補給を心がけましょう。 - 室内環境を整える
今回の研究では、エアコンなどの使用状況までは考慮されていませんが、極端な高温を避けることは糖尿病管理の基本です。無理に暑さを我慢せず、適切に冷房を活用してください。
4.医師にご相談いただきたいポイント
もし、以下のようなことがあれば、次の診察を待たずにご相談ください。
- 夏場になってから、低血糖のような症状が増えた
- 暑い時期に体調を崩しやすく、食事量が安定しない
糖尿病の治療は、季節やお一人おひとりの生活環境に合わせることが非常に重要です。「最近、気温のせいで体調が落ち着かないな」と感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。一緒に、季節の変化に負けない健康な体づくりを目指していきましょう。

