「断酒」の降圧効果 ~5.7万人のデータが示す「驚きの断酒効果」~
「お酒は百薬の長」という言葉がありますが、最新の研究ではそうとは言えないかもしれません。特に血圧が高い方にとって、お酒(アルコール)は血圧を上げる一因であることが分かっています。断酒があなたの血圧にどんな影響を与えるのでしょうか。
5万人超のデータが示す「断酒」の効果
今回ご紹介するのは、聖路加国際病院で健康診断を受けた5万7,000人以上のデータに基づいた研究結果です。この研究は、お酒を飲む人(常飲者)が断酒した場合、血圧がどう変化するかを調べたものです。
1.断酒で血圧が下がる可能性
結論から言うと、断酒で血圧は下がる傾向を認めました。例えば、女性ではビール100-200mLの飲酒を中断すれば、拡張期血圧が0.41mmHg下がり、200-400mLの飲酒を中止すると、収縮期血圧が0.78mmHg、拡張期血圧が1.14mmHg下がりました。男性の場合、ビール100-200mLの飲酒を中断しても血圧に変化はありませんでしたが、200-400mLの飲酒を中断すると収縮期血圧が1.03mmHg、拡張期血圧が1.62mmHg下がりました。ビール800mL以上の飲酒を中断すると、男女合わせて収縮期血圧が5.61mmHg、拡張期血圧が4.97mmHg下がりました。毎日飲んでいるお酒の量が多い方ほど、断酒による血圧低下の効果が大きいようです。
2.「血圧に良いお酒」はなさそう
この研究では、焼酎、ビール、ウィスキー、ワイン、日本酒といったアルコール飲料の種類を問わず、断酒による降圧効果が認められました。研究者らは、アルコール飲料に含まれるエタノールそのものが血圧を上げる原因だと考察しています。残念ながら、「血圧に良い」特別なお酒はなさそうです。
【このブログの参考文献】
聖路加国際病院の鈴木隆宏氏らによる研究
(J Am Coll Cardiol 2025年10月22日公開)

